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【 VOL.28】 やっぱり本が好き。  
     
 
 

見る、視る、観る
 
やっぱり本が好き。

図書館で借りてきた本をいざ読み始めようとする時、大切な『儀式』を行う事が出来ず、思わず「チッ!」と舌打ちしたい気分になる。

買ってきた本を読み始める前のワクワクの『儀式』。
まず、本屋で見つけたときと同じその姿を改めてじっくりと眺める。
正面、裏。 カバーの質感も手で確かめながら、ていねいに眺める。
次にオビをはずして、もう一度よく見る。
中にはオビがカバーの図柄を明らかに邪魔してるものもある。
こういう場合は、すぐにオビをはずし本に挟んでしまう。
(だけど、決して捨てたりはしない。)
しかしオビというのは当然、色、巾、文字のサイズにも細かく神経が使われてあり、はずしてしまうと間が抜けてしまうものがほとんどなのだ。

カバーは本の「着物」で、オビはまさにその「帯」なのだ。

さて、次にその着物を脱がす。(!)
少し古い本はカバーをはずすとタイトルと作家名だけが記された単純で単色のものがほとんどだったが、その色、材質、文字の種類、配置、それだけでも作家の好みや作品の中身を想像して楽しむ事は充分に出来た。
しかし、近頃の本はそこにカバーとは違うイラストや写真があったりして、さらにもう一枚の衣装のようにも感じさせられるのだ。
だから中を覗いてセンスの良い美しい工夫に出会った時には、思いがけないオマケを手に入れたような、随分得をした気分になったりする。

この様にして、読み始める前に表から裏から、無地の見開きも含め全てを撫でるようにゆっくりと楽しむ。

図書館のビニールカバーでしっかり守られた本を手にして「チッ!」と舌打ちする下品さといい、これではまるで、やらしいヒヒジジイだ。

いや、ここは茶器をあれこれ鑑賞する数寄者と同じと思いたい。

私にとって本は手に取って鑑賞する茶碗であり、部屋に飾られたミニカーでもあり、たまには(!)読んで感動と知識を得る「本」ともなるのだ。 

2011.10.30
追分 めぐみ
 
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