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【 VOL.30】 あっぱれ!  
     
 
 

守りたい
 
あっぱれ!

27年と6ヶ月、使い続けてきた電気カーペットが遂に壊れた。

ここに越してきてからは出しっぱなしで、本体の上のカーッペットだけを夏用冬用に変えて年中使っていた。
それというのも電気を全く通さないのは8月の1ヶ月だけで、7月も9月も2回や3回は必ずつけたい日があったからだ。
11月から5月は、ほぼ毎日の使用だし重い机は初めて使った日から一体のように載っている。ジュース、コーヒー、最近ではお酒で濡らしてしまう事もしょっちゅうだった。
このような酷使に耐えての27年半。
ここ数年はもしやの異常な加熱を心配し、時々いろんなところを手で探ってみたり犬の様に鼻を近づけてクンクンと臭いをかいでみたりもした。

しかし、何の問題も変化もなかった。

サーモスタットを通してスイッチが入る時、消える時「カッツン」と大げさな音をたてる。
そして、その音と共にカーペットは確実に仕事をしていた。

9月23日、それまでの残暑からいきなり冷え込んだ初冠雪前日。
久々にカーペットのスイッチを入れた。
「カッツン」相変わらずの音と働きだ。
ところがそれから3週間たったある朝突然、100%反応しなくなった。
あの「カッツン」の音が聞こえてこない。
温度設定を最高に上げてもコードを差し込みなおしても、そこらじゅうをトントンたたいても、あげくはスイッチ部分を揺さぶってみても。
全く反応しない。
テレビなら扇風機なら掃除機なら、何だかの形でその衰えを示してゆくだろうに、このカーペットの終わりはあまりに静かで突然だった。

小さい事でも大騒ぎし、絶対に縁の下の力持ちになれない私の性格では電化製品に生まれ変わっても、こうはいくまい。

この潔い最期に「あっぱれ!」とひとり拍手を贈った。 

2011.11.30
追分 めぐみ
 
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