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【 VOL.39】 春が来た。  
     
 
 

きざし
 
春が来た。

今年の冬、去年を凌ぐ圧倒的な寒さだった。

たとえ涙がじゅるじゅる出ようと3日もあけずに凍てつく空気の中、湖畔へと出かけたのは毎日変化する湖の凍ってゆく姿を見たかったからだ。
もしかすると今年は河口湖でも全面凍結が見られるかもしれない。
そんな期待はここより200mほど標高の高い山中湖が全面凍結をした、というニュースを聞いていっそう高まった。
しかし、そのニュースのわずか3、4日後に突然やってきた季節を無視したぬるい風と大雨のたった1日で見事にその大半が融けてしまった。
その後の再びの寒波にはもう、うんざりするだけで修行のような河口湖への散歩もすっかり行く気をなくしてしまった。
そして、風邪を引いた。

相変わらず繰り返しやって来る寒波、2月最後の日の大雪。
3月に入ってからの雪、雪、雪。
しかし、これは春の雪のはず。 もうすぐ、もうすぐのはず。

ところが今年の冬はタダモノではなかった。
もう4月もそこだというのにここではまだ氷点下の朝で一日が始まる。
隣の庭の梅の木もまだ咲かない。

あまりにやってこない春に「必ず春は来る」というセリフに「本当か?」と突っ込みを入れたくなる。
「絶対」「必ず」そんなものはこの世に無いのだ。 一つを除けば。

今日も午後から北風が強く、散歩に出かける気にならなかった。
なのになのに、思わぬところに「小さい春」を見つけた。
気がつけば、粘土をいじる指先が冷たく痺れてこない!
仕事を始める前にしばらく体と部屋を暖める必要がなくなっている!

仕事場に春が来た。  そうか、私は陶芸家だった。


2012.4.15
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