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【 VOL.44】 「日本人と富士山」とスカイツリー  
     
 
 

 
「日本人と富士山」とスカイツリー

「ありえない!」と声に出して笑ったのはそんなに前の事ではないはず。
なのにその記事の載っていた雑誌の名前もいつ読んだかもすっかり忘れた。
もしかしたらエイプリルフールの記事だったのではないかとここに書くのが少し不安だ。
第2次大戦中のアメリカに、日本人の士気を奪うために富士山に空から赤ペンキを掛けて汚してしまう、という計画があったというのだ。
富士山に赤ペンキ! やけに「壮大」で「幼稚」で馬鹿げた計画に思えたがアメリカ人の考える「日本人と富士山」がくっきりと見えた気がした。 

まだ恐竜もいた頃の大昔の姿か、それとも遠い遠い未来の姿か。
人工物のないモノクロの荒涼とした大地にぽつんと煙を吐く円錐形の山。
その姿だけでそこが日本とわかる、そんな暗い絵があった。

関西育ちの私は高校生になるまで富士山の実物を見た事が無かった。
にもかかわらず頭が少しギザギザで白い雪を冠った富士山は目をつぶっても描く事ができたし、それは誰が見ても富士山の絵だった。
たとえ実物の見えないところに住んでいても、大人も子供も、日本人なら富士山とわかる絵をするりと描く事ができる。
それがここに住む前の私の「富士山」だった。

ところが最近、その姿が壊れてしまう可能性がある事がわかったらしい。
富士山の真下に活断層があるというのだ。
この断層でもし神戸の震災クラスの地震が起きれば、この美しい山は山体崩壊というのを起こして、2つに分かれてしまうという。
赤ペンキどころではない、富士山が「ただの山」になってしまう。
想像しただけで迷子になりそうな不安がじわりと広がってきた。

「天罰」のようでもあり「最終警告」のようでもあった去年の地震。
しかし、その後も何も変わらない、変わろうとしない日本。

最近、テレビであの世界一高いスカイツリーとそれに浮かれる人々を見るとバベルの塔を連想してしまい、再び天から大鉈が振るわれるのではないか、それが富士山の山体崩壊ではないかと不安で気持ち悪くなってしまうのだ。


2012.6.30
追分 めぐみ
 
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